ヘルタースケルター
みんな自分のことで精一杯。
誰も他人のことなんて見てないのよ。すぐ忘れられていく。
外見について、ほぼ全て作り物だと、ひっちゃかめっちゃかだと言うけれど、本当のところ、精神がひっちゃかめっちゃかだったなあ、って。
美に執着する女性を描いたという建前、本当はたぶん彼女は執着が美でも、その他の物でも、変わらなかったんじゃないかと思う。
何かのために、何かが足らない気がして、全てにイライラして全てが許せなくて自分が不安で他者を弄ぶことでしか、自分の手のひらの上で転がして言いなりにすることでしか一時的な満足や安心感を得られない。
綺麗に着飾って身に纏って、中身は本当は空っぽで何もない。
ぴったり自分に重なって息苦しい。
自信がないのかな?そういうわけでもないと思ってるんだけど根っこの部分ではないのかもしれない。愛が足りないとか、片側が足りなかったとか、もういいからこれからの話をしたい。
幻覚が見えて狂いだした、雨の中崩れ落ちるりりこに感情移入が止まらなかった。作品を通してせまりくる音楽や色彩美や映像表現が彼女の世界を際立たせた。
いわゆる濡れ場が沢山だと押された作品でもあったけど、必要だったかはわからないが下品なものは何も感じなかった。終わり方も小さな花が咲くような、そんな終わり方ですごく好きになった。
ほぼノーメイクのエリカさん、すごく綺麗だったなあ。復活して最後に振り返ったりりこの美しさも忘れられない。